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荻窪 教会通り 恬愉堂鍼灸治療院
漢方薬 あれこれ 3

おはようございます。台風地震と大きな自然災害
が立て続けに起きています。”備えあれば患いなし

さて、日本の東洋医学古代中国の医学を基礎に改良され、独特の発展をとげた我が国独自の伝統医療となっています。特に漢方医学では中医学が理論的で複雑なのに対して、日本では江戸時代に実用が重んじられてシンプルになり、庶民にも使われるようになったのです。現在では148処方の漢方薬と約200種類の生薬に健康保険が適用されています。

現代西洋医学のイイ面も多々あります。今後も再生医学ゲノム解析を用いた診断技術は期待される分野です。一方、ガン、心臓・脳血管疾患、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病慢性疾患、また現代病といわれるアトピー性皮膚炎、機能性胃腸症、花粉症、うつなどの増加のもとで近代西洋医学の効果に限界を感じ始めた患者や医療従事者も少なくありません。そこで注目されているのが伝統医学です。世界のこうした流れに逆行するように、日本国内での漢方医学への風当たりは強く、存続を危ぶむ声も上がっています。その理由のひとつが漢方薬の保険はずしの動きです。

記憶に新しいのは2009年11月に行われた行政刷新会議の事業仕分けで、仕分け人たちによって漢方薬は保険適用から外すべきという結論が下されました。日常的に漢方薬を服用して病気治療をしている患者にとって、漢方薬の保険はずしは負担増にもつながります。医療の実状を無視し、漢方薬を「無駄」と決め付けた行政刷新会議の判断には反対運動が巻き起こり、3週間92万筆以上の署名が集まりました。その結果、2010年度はかろうじて漢方薬の保険適用は継続されることになったのです。また原材料である生薬の高騰も漢方医学の存続が危ぶまれる理由です。財源を理由とした安易な保険はずしの議論や薬価の引き下げは、国民の健康と、この国に脈々と受け継がれてきた伝統医療を同時に失うことにつながりかねないのです。

アジアで発展してきた伝統医学は、現在では欧米でも利用者が増えています。中でも西洋医学と漢方医学を融合させて治療実績をあげている日本の医療は注目されており、欧米諸国だけではなく、東洋医学思想のある中国や韓国からも留学生が訪れているというのが実情です。世界保健機関(WHO)でも25年ぶりに改訂する国際疾病分類(ICD)伝統医学を組み込んでいます。これを機に、世界で伝統医学に関する調査や研究、臨床試験、教育が進められる動きが出てくることは必定です。

政府は漢方薬の効能などについてビッグデータを活用して検証する方針を固めています。2019年中にも始め、薬1種類につき100万人規模の使用者データを集めて分析するようです。日本の伝統医療である漢方医学は、元になったインドのアーユルベーダや中国の中医学(TCM)といった伝統医療も含めると薬は数万種類あるとされています。経験に基づいているため、効能や副作用が出る仕組みなどが科学的によく分かっていない薬も多いのです。ビッグデータを活用して科学的な根拠を確立し、漢方薬の効果的な服用方法を見つけたり、副作用の防止につなげたい考えです。内閣官房が2019年度予算の概算要求に関連費用を盛り込むんでいます。東洋医学関連にもっと科研費!!  〆

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| 漢方薬 | 08:59 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP -
漢方薬 あれこれ 2

おはようございます。明朝に北海道大きな地震アリ。
自然災害に自分が合わないと考える方が不合理かも・・・

さて、日本の漢方医学古代中国の医学を基礎に改良され、独特の発展をとげた我が国独自の伝統医療です。古代中医学が理論的で複雑なのに対して、漢方医学は江戸時代に実用が重んじられてシンプルになり、庶民にも使われるようになった経緯があります。

そして漢方エキス製剤保険適用になったのは1967年からです。当時の医師会長、武見太郎氏の働きかけによって、まず4種類の漢方薬が健康保険に認められ、1976年に一気に適用が拡大さました。現在のように148処方の漢方薬と約200種類の生薬に健康保険が適用されるようになったのは1975年以降のことなのです。クリニックなどで処方箋をもらうと本当に安価に購入できます。3割負担で1か月処方してもらって、皆さんが薬代として支払うお金は平均1000円です。1か月分でたった1000円です。国民皆保険制度は素晴らしいですね。

そして実は生薬を用いた煎じ薬にも保険適用されています。しかし、その処方箋を扱える薬局が少ないのです。院内薬局でも院外薬局でもイイのですが、たくさんの生薬を常備している必要があります。生薬の値段が高騰している昨今、たいした利益にならない保険適用の漢方煎じ薬を扱うことができる施設は限られています。また生薬には品質があります。素晴らしい生薬を()えると保険適用のお金では赤字になります。そこで致し方なく自費診療を行っているところも少なくありません。また街中にある漢方薬局などで医師免許ではない薬剤師が漢方薬を処方しているところは健康保険の対象にはなりません。保険の適応を受けたければ、まずは病院や診療所で診察を受け、医師に漢方薬の処方箋を書いてもらう必要があります。

漢方のエキス剤も煎じ薬も保険適用ですから、まずどの医療機関でも扱える保険適用の漢方エキス剤を試してみましょう。そして治らない時は、保険適用の煎じ薬を試してみるのもアリです。それでも治らない時は自費の漢方薬を試してみるとイイでしょう。西洋薬一辺倒という医師も多いですが、中には漢方薬を西洋医学の補完的薬剤としている医師もいます。こういうところで相談してみるのもイイかもしれません。  つづく・・・

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漢方薬 あれこれ 1

おはようございます。昨日は強い台風21号の影響で大荒れ
東京も昨夜は暴風雨の後に地震。自然を侮るなかれ!!

さて、そもそも漢方薬の歴史は非常に古いです。漢方のバイブルとも言われる『傷寒論』(しょうかんろん)という医薬書は約1800年前には出来上がったとされています。日本では卑弥呼が登場する頃です。その『傷寒論』の中に現在の保険適用の漢方薬約半数が含まれています。 しかし『傷寒論』の原本はありません。1800年前には紙や印刷技術が普及していません。ですから当時は竹や木を糸で板状につなぎ合わせて、そこに墨や漆で字を記載した竹簡・木簡です。そして保管する時はクルクルと丸めて保管したのです。ですから今でも百科事典などは「○○巻」とナンバリングされています。現存する『傷寒論』は紙と出版技術が進歩した宋代の写本です。『傷寒論』の原本には色々な説がありますが、宋代ですら約1000年前です。そのことから漢方の知恵は確実に存在していたことになります。

漢方薬と現代西洋薬学は基本的な考え方が異なります。漢方薬は数種類の生薬の足し算叡智()です。現代西洋薬学は引き算の知恵です。何か薬効がある成分を含む生薬から精製分離という化学的知恵が生まれたのは約200年前です。1804年に阿片からその主成分である物質が精製分離でき、それをモルヒネと名付けたので、そこから現代西洋薬学が産声を上げたと説明する医師もいます。そんな引き算の知恵と技術ができる前は足し算です。薬効がある生薬を足し合わせて、効果を増強副作用を減らし、そして新しい作用を生む組み合わせを創り上げました。

皆さんも一度は漢方薬を服用したことがあると思います。多くの方は顆粒状になった漢方エキス剤ではないでしょうか。”風邪に葛根湯”というイメージの方も多いかも知れません。漢方薬の多くは数種類の生薬を配合しています。生薬の多くは植物由来です。 ()動物、鉱物なども使われます。それらを水から煮詰め成分を凝縮させてものが煎じ薬です。ですから多くは名前の最後に「湯」が付きます。有名な葛根湯も実は『傷寒論』に登場します。煎じ薬の利点は、生薬をいろいろと加減できることです。構成生薬の分量の加減もできますし、また新しい生薬を加えたり、特定の生薬を抜いたりもできます。これを「さじ加減」といいます。これによりオーダーメイドの漢方薬が作れると言うことです。

エキス剤とは、インスタントコーヒーのようなイメージです。インスタントコーヒーはお湯に溶かすと本当のコーヒーに非常に近くなります。同じように漢方エキス剤もお湯に溶かすと昔ながらの煎じた漢方薬に近くなるのです。煎じ薬はブレンドコーヒーをマメの種類や量をいろいろ工夫してより美味()しくするのと非常に似ています。欠点は毎日煎じることはちょっと無理なことです。煎じるには30分は必要ですから。また携行には向きません。つまり現代人がポケットにいれて持ち歩くという西洋薬のイメージからはまったく別物になります。そこで漢方エキス剤が登場しました。煎じ薬を煮詰めて、その成分を乳糖などに吹き付けて、そして顆粒()にしています。通常は5年間の有効期限があり便利です。  つづく・・・

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清肺湯 3

おはようございます。今週末の3月11日(土)臨時休診です。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解の程お願いいたします。

さて、お隣の中国では大気汚染が深刻化しています。北京市内のガン患者数は15年前の550%増、中国の肺ガン患者は2025年までに100万人超と言われています。

2014年、中国は自国民に対する日本への観光旅行規制緩和。すると翌年、「爆買い」という言葉に象徴されるように中国人観光客は日本へと一気に押し寄せ、日本のデパートや量販店などで大量の買い物をしました。ちなみに中国人の人気が最も高かったのはドラッグストアなどで販売される一般用医薬品で、次が日本製の化粧品とウォシュレットです。

中国人旅行客の間で爆買い人気となっているのが大気汚染の特効薬として、こぞって買い求めているのが小林製薬の「ダスモック」です。これは漢方薬の清肺湯(せいはいとう)です。清肺湯は肺の熱をさます。つまり肺の炎症を緩解させる作用があるとされており、処方名はこの薬効より名付けられた処方です。清肺湯は陳旧性の熱痰陰虚を伴ったものに使用します。「痰の多く出る咳」に汎用されています。

清肺湯の処方構成は茯苓・当帰・麦門冬・黄芩・桔梗・陳皮・貝母・桑白皮・山梔子・天門冬・杏仁・竹茹・大棗・五味子・乾生姜・甘草。清熱の黄芩・山梔子・桑白皮で肺熱を冷まし、化痰宣肺の貝母・桔梗・杏仁で痰を除き、養陰補血の天門冬・麦門冬・五味子・当帰で肺を滋潤します。茯苓・甘草・大棗・陳皮・生姜は健脾和胃により肺陰の補充と化痰を助けます。

効能は清肺止咳袪痰滋陰です。適応症は咳がいつまでも続いて粘っこく切れにくい痰が多く出て、咽喉頭痛、声がれ、咽喉頭の異常感、ときに血痰などを伴うものに用います。つまり慢性気管支炎気管支拡張症・肺結核などで肺熱肺陰虚を呈するものに用いられます。

類方(類似する漢方薬)には五虎湯(ごことう)があります。激しい咳と共に咽痛のあるものに用います。麦門冬場(ばくもん
どうとう)は激しい咳で痰が切れにくく胃陰虚による気道の乾燥に用います。

日本で脈々と受け継がれている漢方薬鍼灸治療東洋医学伝統医学って効かなければ廃れるはずです。しかし、継承されているのは一定の効果があるからです。イメージだけで気嫌いせずに、困ったことがあったら専門家に相談してみてください。   〆

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| 漢方薬 | 09:01 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP -
清肺湯 2

おはようございます。昨日は所用で銀座に行きました。
荻窪から電車で約30分。近いのに足の向かないエリアでした。

さて、お隣の中国では大気汚染が深刻化しています。北京市内のガン患者数は15年前の550%増、中国の肺ガン患者は2025年までに100万人超と言われています。中国人旅行客の間で爆買い人気となっているのが大気汚染の特効薬として、こぞって買い求めている小林製薬の「ダスモック」です。これは漢方薬の清肺湯(せいはいとう)です。

中国では小規模な薬屋ばかりで品質管理も出来てないので効き目があったりなかったりします。また薬屋では「素材のまま売る」というのがひとつの原則になっています。その理由は偽物防止です。挽いて粉末になってしまえば、本物か偽物か判別つかないからです。ですから、購入してから薬屋で粉にするなどの加工をしてくれます。

日本にはツムラなどの漢方エキス剤の大メーカーがあります。信用力の高いブランドが素材も吟味し、効能も科学的に確かめて、製品を作っています。飲みやすいカプセルや錠剤になっています。ツムラが製造する漢方薬の原料は国内とラオスでもわずかに栽培されていますが、実に8割中国栽培されています。現地での栽培加工に際して手順が書かれた指示書を共有することで、産地ごとの契約会社による農民管理が細かく行き届いていません。内部告発では許可していない農薬の使用が発覚しています。農薬汚染残留農薬の問題もされているので、一概に安全・安心とはいえません。とはいえ、イメージで中国国内よりも安心で安全ならば、みんな『日本で買おう』となる訳です。訪日しているのは富裕層の人々ですから・・・ 日本製の薬は昔から大陸でも評判が良くて正露丸なども東南アジアのどこでも知られています。

清肺湯はもともとタバコの煙や排気ガスなどによって生じるやわらげ呼吸を楽にするための薬です。2016年4−9月の売上が前年比で約40%も突然伸びています。これは大気汚染に苦しむ中国人の消費が売上を押し上げたようです。

中国メディアの新浪は「中国人が長年悩まされてきた問題が日本によって解決された」と報じています。中国発祥の漢方薬ですが「日本人が漢方薬を中国人に売る」という構図が生じていることについて「信じがたいが本当に起きていること」と伝えています。中国から原材料を輸入し、日本企業が独自の製品として発売し、それを中国人旅行客が買い求めるという構図の現象が起きています。漢方薬は現在、世界市場においては日韓が約80%のシェアを獲得しており、中国企業が生産する中医薬のシェアは5%程度にすぎないのが現状です。

特に日本企業が生産する漢方薬の原材料の大半は中国から輸入していますが、中国は現在、漢方薬市場で原材料を供給する役目に過ぎません。また日本企業は現在、東南アジアや中央アジア栽培・生産された生薬を購入するようになり、中国の生薬の原材料市場における地位も失われつつあるのが現実です。 つづく・・・

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清肺湯 1

おはようございます。来月にはてんゆ堂開院して丸10年です。
そこでホームページをリニューアルしました。よろしくです。

さて、お隣の中国では大気汚染が深刻化しています。北京市内のガン患者数は15年前の550%増、中国の肺ガン患者は2025年までに100万人超と言われています。日本ではガンによる死因の中で最も多く、2人に1人が一生の内に1度はガンにかかり、3人に1人がガンで亡くなっています。中でも肺ガンは最も患者数が多く、2010年には約7万人が肺ガンで亡くなっています。

中国では石炭燃料が多く、冬場にはPM2.5により視界不良になるのをニュース映像でも度々目にします。中国人旅行客の間で人気となっているのが大気汚染の特効薬として、こぞって買い求めている小林製薬の「ダスモック」です。これは漢方薬の清肺湯(せいはいとう)です。訪日中国人が爆買いしています。

中国人が日本で漢方薬を買って行くには理由があります。中国では個人商店みたい薬屋ばかりで、日本みたいに大企業の漢方薬というのがありません。そもそも漢方エキス剤の製法を確立したのも日本の製薬技術です。戦中の昭和19年(1944 年)に国立東亜治療研究所において板倉武・川上岩雄が漢方エキス製剤の開発に成功し、翌年には漢方エキス製剤・小柴胡湯(しょうさいことう)の比較臨床試験を行っています。これが日本における臨床試験および漢方エキス製剤使用の嚆矢です。昭和25年(1950 年)には細野史郎・坂口弘は漢方エキス製剤20種類を作ります。昭和32年(1957年)には小太郎製薬・長倉製薬は漢方エキス製剤を製造発売。そして昭和42年(1967年)には漢方エキス製剤4処方が初めて保険薬価収載されました。昭和51年(1976年)には漢方製剤43処方が薬価基準に収載され漢方製剤は薬効分類上初めて漢方薬に分類されました。   つづく・・・

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無二膏 3

おはようございます。昨日は特に用事もない穏やかな
一日でした。たまにはこういう日があると一息つけます。

さて、300年以上の歴史を持つ雨森敬太郎薬房は、現在も京都府中京区車屋町にあり「すい出しの軟膏」の無二膏(ムニコウ)を製造販売しています。現在では無二膏は第2類医薬品となります。ダイオウ、オウギ、ジオウなど13種類の生薬などをゴマ油に入れ数時間煎じて造られます。「釜に付きっきりで混ぜ続けなければいけないので手間は掛かります」と現在、15代目の雨森良和氏が語っています。そして全国の愛用者からの「『この薬をずっと使いたい』という声に支えられて今も作り続けているんです」とも語っています。このご時勢に1缶(30g)で1080円

無二膏は腫れ物などの膿を出し傷跡を残さない軟膏として愛用されています。切り傷などにも効果が高く水仕事をされている方にも好評だそうです。特に寒い時期には指のあか切れひび割れなどの傷を保護するために愛用する人が多いそうです。「すい出しの軟膏」と言っていますが無二膏は軟膏ではありません。少し固いです。ですから少し缶ごと火で炙り、柔らかくしたものを楊枝ですくい取り傷口に埋め込むように擦り付けるそうです。無二膏は独特の刺激臭があります。「紫雲膏」(シウンコウ)ほどではありません。火で炙ると匂いは部屋に立ち込めます。

お問い合わせ先は、有限会社雨森敬太郎薬房、京都市中京区車屋町二条下ル仁王門突抜町307番地ノ1075-231-2848です。雨森敬太郎薬房から北へ約50mの沼田薬品(075-231-4490 7時〜20時 日・祝日休業)ほかで購入可能です。小生は京都に行く予定がちょくちょくあるので京都駅の南にある「くすり屋」で購入しました。ネット通販もしていますので、ご希望の方はどうぞ。 その薬店で聞いたのですが「色々あって製造中止するいう話もある」とのことなので、早めの購入をオススメします。 〆

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無二膏 2

おはようございます。明日は参院選の投票日です。
駅前は朝早くから「最後のお願い」を連呼していました。

さて、京都府中京区車屋町にある雨森敬太郎薬房では、現在も「すい出しの軟膏」の「無二膏」(ムニコウ)を製造販売しています。現在では第2類医薬品となります。効能効果は、お灸のあとの排膿(膿出し)、瘍・疔(化膿性のはれもの)、ねぶと、乳腫、きりきず。成分はゴマ油:71.22%、鉛丹:21.36%、ダイオウ:0.57%、オウギ:0.57%、ジオウ:0.57%、オウバク:0.57%、サンシシ、0.57%、センキュウ、0.57%、オウレン:0.57%、トウキ:0.57%、シャクヤク:0.57%、モウコウ:0.57%、ゲンジン:0.57%、オウゴン:0.57%、ビャクシ:0.57%。

用法・用量は、1日2回朝夕、適量を患部にガーゼ等にのばして貼付する。使用上の注意は、してはいけないことは、目や目の周囲、粘膜には使用しないこと。湿疹の部位には使用しないこと。相談することは、(1)次の人は使用前に医師または薬剤師に相談すること。本人または家族がアレルギー体質の人。薬によるアレルギー症状を起こしたことがある人。(2)しばらく使用しても改善が見られないときは使用を中止し、この製品をもって医師または薬剤師に相談すること。保管及び取扱いの注意は、小児の手の届かないところに保管すること。直射日光をさけ湿気の少ない涼しいところにふたをして保管すること。他の容器に入れ替えないこと。  つづく・・・

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無二膏 1
おはようございます。ご近所でもグリーンカーテン
をやっているお宅が実に多いのに気がつきました。

さて、少し前の勉強会の後の懇談会(飲み会)の時の話題で「すい出し」の話が出ていたので食いついてしまいました。その先輩鍼灸師さんもどこかで聞きかじったようで、何やら今も京都で造っている所があるそうで、肝心の商品名を失念したとのこと・・・帰って来て色々ネットで調べてみると解りました。どうやら無二膏(ムニコウ)というものらしいです。

今は昔、近江国(現・滋賀県)の代々医家の雨森家があり、初代の雨森良意が江戸幕府三代将軍・徳川家光の時代に上洛し、京都御所近くの車屋町に移り住み御殿医を勤めながら、民衆の苦しむ腫れ物対策に研究を重ね、苦労の末、この無二膏を生み出したそうです。良意は当時、盛んに行われていたお灸打膿灸)を据えた際に出来るかさぶたには、もしかすると身体の毒素が溜まっていると考え、そのを吸い出す「すい出し」の為に創られた軟膏が無二膏のようです。この時点では無二膏には名前が付いていませんでした。「この膏薬の効き目はほかにはない」と京の町で瞬く間に評判となり、人から人へと瞬く間に評判となり、誰が言うわけでもなく無二膏という名が付けられたのだとか・・・ 無二膏は「世に二つとない妙薬」という意味から名付けられたという説もあるようです。その後、民衆の需要の高さにより製造が追いつかなくなり、良意は慶安元年(1648)に御殿医を辞して無二膏の製造に専念されたそうです。

薬房が置かれた二条辺りは、かつて「薬といえば二条」と言われるくらい多くの薬局が点在していたそうです。しかし時代の流れの中、薬房は徐々に消えていったそうです。今でも近辺を散策すると薬局が多く見受けられました。無二膏は商品名ならぬ一般名として広く認識されたそうで明治初期あたりに同名のニセモノの商品が出回ったそうです。その話は上方落語などにも登場するそうです。

そんな急激な激動の流れの中、薬房は生き残り現在も尚「無二膏を絶やさないで欲しい」と願う人々の想いを受け継いでいるとのことで、現在、15代目の雨森良和氏が雨森敬太郎薬房として、ご先祖からの意向を引継ぎ無二膏を造り続けています。玄関前に張り出されている暖簾には「すい出しの軟膏」と書かれてあり、続けて「雨森 無二膏」とあります。   つづく・・・

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ノーベル賞 中医薬 5

おはようございます。ハロウィンが終わると一気に
街はクリスマス仕様に一変します。直に初冬です。

さて、今年2015年のノーベル医学・生理学賞抗マラリア薬であるアーテミシニン青蒿素)の発見者として知られる中国中医科学院の首席研究員で薬学者の屠呦呦(Tú Yōuyōu)教授(84)が選出されています。

屠教授のノーベル賞の受賞となる生薬青蒿(せいこう)とはどのような生薬でしょうか? 有効成分のアーテミシニンを抽出したヨモギの1種であるクソニンジン 。クソニンジンの学名は「Artemisia annua」。中国名は「黄花蒿」です。生薬の青蒿は黄花蒿と同じ種類で同様の薬効があります。 青蒿は『神農本草経』の下品(げほん。※病気を治す作用は強いが副作用がある生薬)に分類記載されています。青蒿はキク科(Compositae)の一年草植物、クソニソジンの全草。特異な香気があり、微かに苦いです。 性味は苦・寒、帰経は肝・胆です。効用は涼血退熱解暑治瘧。応用として瘧疾マラリア様の疾患)の熱多寒少の証に用います。本品は截瘧(瘧はマラリアで、截瘧はマラリアを治すこと)と解熱の作用があります。古来から現代まで瘧疾に使われます。『肘後備急方巻三治寒熱諸瘧方第十六中の瘧疾に対する青蒿の記載として「青蒿一握,以水二升浸,絞取汁,盡服之」とあります。瘧疾寒熱を治すには単用で比較的大量の新鮮品を水とともにすりつぶした汁を服すとあります。
 
屠教授は「(自身が薬草から抽出することに成功したマラリア治療に効果がある成分)アルテミシニンは伝統的な中国医薬が世界の人々に送ったプレゼントであり、伝染病を防ぎ、世界の人々の健康を守る上で重要な意義を持つ。その発見は中国医薬に対する大規模な研究の成果であり、ノーベル賞の受賞は中国の科学研究と中国医薬の世界進出が受けた一つの栄誉だ」とコメントしています。

中国の伝統中国医学は巨大産業であり、2013年の市場規模は910億ドル(約11兆2000億円)超で国内医療業界総生産高3分の1を占めているのです。国内医療機関の大半が西洋医学を採用するなか、政府は近年、伝統中国医学業界への助成と支援を拡大。2015年5月には医療に関する指針のなかで、全ての県と直轄市に対し中医学専門医院2020年までに開設する努力を求めているのです。中国では法律で中医学の育成発展を明示して年間予算が約1422億円に達しているそうです。

日本も漢方薬や鍼灸の東洋医学の研究費を増やしてみてはどうでしょうか。日本の科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)は年間2000億円以上が充てられていますが、様々な科研費に分配されるので東洋医学関連では極わずかです。とはいえ東洋医学に関わる研究成果でノーベル賞受賞は素晴らしいですね。   〆

 

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