おはようございます。今年度の鍼灸師の国家試験は2月25日(日)です。学生さんたち、後は体調管理ですよ〜!! ガンバレ〜!!
さて、トイレの蓋を閉めてから水洗するというのが最近のマナーのようですが、米国から「Impacts of lid closure during toilet flushing and of toilet bowl cleaning on viral contamination of surfaces in United States restrooms」という論文が発表されています。この研究では少し違った答えが出てきています。
ヒトの腸内ウイルスの代用物質であるバクテリオファージをトイレの便器に添加し、水洗によって床や壁などの表面が汚染されるかどうかを検証しました。そして水洗後、便器の水、便座の蓋、便座の表面、トイレ周辺の床、トイレの壁面から検体を採取しました。
その結果、蓋を閉めようと開けようと便座表面が強く汚染されることが分かりました。それ以外のトイレ内の表面を調べたところ、蓋を閉めていても、蓋を開けた状態と比べて汚染が軽減されていないことが明らかになったのです。そもそもトイレの蓋はウイルス飛散を防止するためのものではないです。
蓋を閉めた状態だと横の隙間から噴射されるエアロゾルが多くなるようです。つまり水洗前にトイレの蓋を閉めても、トイレ内の汚染を減少させるにはいたらないのです。ただ、これは米国で一般的に使われているトイレの蓋での検討であり、最新式のトイレでは、また違った結果になるかもしれません。
結論として、水洗前にトイレの蓋を閉めたとしてもトイレ内の床や壁の汚染が軽減されない。トイレにおける感染リスクを最小限にするなら便座や床を消毒・清掃することに尽きます。不特定多数の人が使うトイレの場合、これらを定期的に行うことが重要です。また、個々ができる対策として、トイレの蓋や便座に触れた後は必ず手を洗うよう心がけるのがイイでしょう。
そして、コロナが蔓延中にトイレで使用中止されていた風圧で手についた水滴を吹き飛ばすジェットドラーヤーが復活しています。これはコロナ前から「トイレ内に細菌やウイルスを拡散するので使用しない方が良い」と言われています。”本末転倒” ”頭隠して尻隠さず” ”喉元過ぎれば熱さを忘れる”… なんだかなぁ〜。 〆
<参考文献>
・Impacts of lid closure during toilet flushing and of toilet bowl cleaning on viral contamination of surfaces in United States restrooms, Goforth, Madison P. et al. American Journal of Infection Control 52(2024),141-146.
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