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六経頭痛 2

おはようございます。明日は都内も降雪の予報が出ています。できる準備はしといた方がイイですね。

さて、各病期と関連する経絡が影響して頭痛を生じる場合もあります。経絡別の六経頭痛(りっけいずつう)を紹介します。

太陰頭痛上から包み込むように感じるの痛み頭全体を何かで覆ったような頭痛と表現され、雨の日湿度の高い日に生じやすいとされています。これは脾(ひ)と強く関連する湿邪による頭痛と考えれます。足太陰脾経(ひけい)は腋窩の大包(たいほう)に終わりますが、体内流注は上行して咽頭や食道を挟に舌下まで走行します。各経絡にまとめるためにちょっと無理やこじつけ感がありますね〜。

太陰病は表証・寒証に属します。表虚の場合は悪風悪寒・脈は緩弱(かんじゃく)を呈します。このような場合は桂枝加附子湯(けいしかぶしとう)を用います。四肢厥冷(ししけつれい.手足の強い冷え)・血行不良により陽気が巡れないものには当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)を用います。表実している場合は悪風悪寒・発熱・脈は沈(ちん)を呈します。この場合は麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を用います。

少陰頭痛頭の中から突き上げるような痛み下から槍で突き上げられるような頭痛と表現されます。これも少陰病と関連すると考えられます。手少陰心経(しんけい)は胸から上向する体内流注があり、心系より上り咽頭や食道を挟に、さらに目の内側に走行します。これも経絡走行とのリンクに無理やり感ありますね〜。また少陰頭痛は、強い冷えのぼせ、動悸、更年期障害などがある人に生じやすいとされています。

少陰病は裏証・寒証に属します。乾嘔(からえずき)、唾を吐く場合は呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を用います。月経痛があれば温経湯(うんけいとう)を用います。四肢厥逆の場合は四逆湯(しぎゃくとう)を用います。

厥陰肝経(けっちんかんけい)は期門(きもん)というツボから体内を上行して肝臓を通り、乳房から咽喉に上がり、眼を貫いて頭頂部(百会(ひゃくえ))に流入するため頭頂部の頭痛は厥陰頭痛です。

厥陰病は寒熱錯雑(かんねつさくざつ.寒証と熱証が同時に交錯して出現する)または上熱下寒の状態を呈します。烏梅丸(うばいがん)・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などを用います。また、外治法として頭風摩散(ずふうまさん)がありますが、これは発作性頭痛に用います。 

このような形式的な頭痛が生じるとは限りません。臨床では様々な要因が重なった頭痛がほとんどです。一般的に気血不足肝腎陰虚(かんじんいんきょ)は頭部全体が痛むことが多いです。陽気などの異常亢進による陽亢は後頭部から頸部の筋肉が痛むことが多いです。四肢が冷たくなる寒厥(かんけつ)は頭頂部、肝火による熱厥両側頭部が痛むことが多いです。東洋医学からみた頭痛の話でした。    〆

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六経頭痛 1

おはようございます。本年度の鍼灸師国家試験2月27日です。この時期は医療従事者の国家試験がラッシュです。後は体調管理です。ガンバレ〜!!!!!

さて、東洋医学では風邪(ふうじゃ)や寒邪(かんじゃ)などによる外感病に頭痛が伴うことがあります。六経病(りっけいびょう)は太陽病→少陽病→陽明病→太陰病→少陰病→厥陰病(けっちんびょう)の順に経過します。端的に述べると感冒経過時期に応じた頭痛があるとされています。そして、この病期と経絡の関連性があり、これを六経頭痛や六経病頭痛といいます。

手足の三陽経頭部集会します。太陽頭痛後頭部から上背部におよぶ頭痛が多いです。足太陽膀胱経(ぼうこうけい)が後頭部から後頸部および両側肩甲骨間の上背部に循行するので、後頭部から後頸部にかけて生じる頭痛が太陽頭痛です。

太陽病は表証・熱証に属するため、表虚証の場合は発熱・悪風(おふう.風にあたると寒気を感じる)、自汗(じかん.自然としきりに初汗する)、脈は浮緩(ふかん)を呈します。このような場合は桂枝湯(けいしとう)を用います。後頭部と頸背部までこわばる場合は桂枝加葛根湯(けいしとうかかっこんこんとう)を用います。

表実証の場合は発熱・悪寒(おかん.不快な寒気)・無汗・脈は浮緊(ふきん)を呈します。この場合は麻黄湯(まおうとう)や大青竜湯(だいせいりゅうとう)を用います。後頭部痛には葛根湯が最適です。

少陽頭痛頭部の両側に出現することが多いです。こめかみから側頭部足少陽胆経(たんけい)が循行するため、主に側頭部の頭痛になります。

少陽病は半表半裏証に属し小柴胡湯(しょうさいことう)や柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)用います。実熱に偏るものは大柴胡湯(だいさいことう)を用います。虚寒に偏るものは柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を用います。

陽明頭痛前額部から眉稜部足陽明胃経(いけい)が循行するため、前額部から眉稜部に生じる頭痛となります。陽経病は裏証・熱証に属します。

陽明裏実証(陽明腑証)の場合、口渇・便秘・脈は沈実を呈します。気逆を下げる承気湯(じょうきとう)を用います。陽明経証の場合は、多汗・激しい口渇になるため白虎湯(びゃっことう)を用います。

もし後頭部痛ならば葛根芩連湯(かっこんごんれんとう)を用います。陰虚熱(いんきょねつ)がある場合、イライラと不眠があるので酸棗仁湯(さんそうにんとう)を用います。   つづく・・・

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陰陽論と量子力学 6

おはようございます。今年のGWの予定は決まりましたか!? 「蔓延防止等重点措置」の影響で規制がかかることも想定されます。密にならないで、気晴らしができるとイイですね。

さて、「量子力学の育ての親」といわれ、ノーベル物理学賞を受賞したデンマークの物理学者ニールス・ボーア(1885〜1962)は、「すべての物事には二つの側面があり、それぞれの側面は互いに補い合ってこそ、ひとつの実在について記述することができる」とする相補性原理(1927)を提唱しました。この相補性原理と陰陽論が非常に似通っていることを見出しています。

東洋哲学では「有は無より生じ、有は無に帰す」と考えています。 また、陰陽思想では 自然界の根源である太極から陰陽の二気が生じ、 また、これが太極に統合されるという認識です。

陰陽論では「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」や「陰中に陽あり、陽中に陰あり」があります。陰陽は、相反しつつも、一方がなければもう一方も存在し得ない二気が調和して初めて自然の秩序が保たれるとしています。

量子力学は量子的リアリティは確率的であり、確定的なものでなく部分的に観測者によって作り出されるという不確定性原理相補性原理を柱とします。東洋医学でも常に部分と全体との結びつき相互関連を考えています。

生体は確定的状態にはなく相対的かっ確率的な見方をします。鍼灸治療も漢方薬も、外界と生体との影響を与えあう関係の違いを考えたら、その効果は当然確定的ではありません。

東洋医学の研究者の中には、全ての事象は影響を与えあうため、宇宙不可分を重視する向きもあります。しかし、多くの物理学者はそのような宇宙のあらゆる部分の結びつきなどは考えられなく、物事が客観的に実在しないことを示すものであるとしています。

また、矛盾に満ちたこの世界を生き抜くためにも相補性の考えは重要になってくるでしょう。しかし、自然界では陰陽論は当てはまらないけども、人間界では、ある程度は当てはまるとの意見もあります。人間界というのは、自然界のように理路整然としてないので適当な物でも通用するというのです。

そして、東洋思想で大きなキーワードはです。気の存在を実感できる人は、すべての事象を気の概念で結びつけます。これを物理的に解明できることが真の科学化かもしれません。しかし、画像診断や検査での数値化に依拠した現代西洋医学が最先端の医学かと問われると困りませんか!?

最新の量子力学を用いた医療に量子医学というのがあります。『量子医学』(小林健 著)では「素粒子レベルで診ることで、本来の素性力が蘇り、様々な病が根っこから癒される」そうです。愛のエネルギーワーク愛の波動により、細胞を原点から調整する根本治療だそうです。もっとも古くて新しいのが量子医学かもしれません。

ホリスティック医学という言葉があります。ホリスティック(全的)な健康観に立脚する人間を体・心・気・霊性等の有機的統合体ととらえ、社会・自然・宇宙との調和にもとづく包括的、全体的な健康観に立脚する医療です。

東洋思想に則った鍼灸治療は、陰陽思想・気の概念・経絡など曖昧な要素を含んだ医療です。そういう面では、鍼灸治療は一種の量子医学であり、ホリスティック医学だといえますね。    〆

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陰陽論と量子力学 5

おはようございます。コンビニ限定で販売されているアサヒスーパードライ・生ジョッキ缶生ビール感秀逸です。近所のファミマにはありました。お試しあれ。

さて、「量子力学の育ての親」といわれ、ノーベル物理学賞を受賞したデンマークの物理学者ニールス・ボーア(1885〜1962)は相補性という量子力学の概念と陰陽論が非常に似通っていることを見出しています。相補性原理(1927)とは、「すべての物事には二つの側面があり、それぞれの側面は互いに補い合ってこそ、ひとつの実在について記述することができる」という原理です。

現代宇宙論では、宇宙誕生時の小さな時空を考える時、量子力学的な照明をします。ブラックホールや宇宙論で有名なスティーヴン・ホーキング(1942〜2018)や、宇宙ひもアレキサンダー・ビレンキン(1949〜)らは、ビックバン宇宙がから生じたと考えています。

この「無」というのは時間も空闇もない状態ですが、量子論的なある自由度(エネルギー、角運動量など)を持ち、そして、それはゆらいだ状態(量子論的ゆらぎ)にあるというのです。ゆらぎは一定以上には大きくなく、ゆらぎは相殺されるとゼロになると考えています。

ボーアは、後半生は相補性原理と東洋哲学に類似性があるとして、特に『易経(えききょう)』を研究していました。『易経』は、BC700年頃の古籍で、中国の古典の中では一番古いとされています。東洋哲学では「有は無より生じ、有は無に帰す」と考えています。

陰陽思想では、自然界の根源である太極から陰陽の二気が生じ、また、これが太極に統合されるという認識です。陰陽論では「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」や「陰中に陽あり、陽中に陰あり」とあります。陰陽は、相反しつつも、一方がなければもう一方も存在し得ない二気が調和して初めて自然の秩序が保たれます。   つづく・・・

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陰陽論と量子力学 4

おはようございます。少し前の天気予報では「寒の戻りは、今後ない」と言っていました。少し前がポカポカ陽気だったので、例年並みの気温に寒の戻りのような肌寒き感じます。

さて、量子論の発展に最も貢献したと考えられているのが、デンマークの物理学者ニールス・ボーア(1885〜1962)です。「量子力学の育ての親」といわれ、ノーベル物理学賞を受賞しています。

ボーアは量子論の解き明かした粒子と波動の二重性位置と速度の間の不確定性などの物質・自然観を相補性と名付けて説明しました。相補性とは、例えば粒子と波といった相反するもの同士が互いに補い合うことで、一つの物事や世界を作っているということを説明した言葉です。

ボーアは、アインシュタンイン真逆の観点で世界を観ています。ボーアは電子は粒でもあり、波でもあるといい、これは中国の陰陽思想非常に似通っていることを見出します。

このボーアの理論は、エルヴィン・シュレーディンガー(1887〜1961)により証明させます。さらに、ヴェルナー・ハイゼンベルク(1901〜1976)による不確定性原理(1927)の発見により、アインシュタインの決定論は旗色がわるくなります。現代物理学の発展の方向性から、量子論の方に軍配が上がっています。

ボーアは、量子力学と陰陽論が非常に似通っていることを見出して、後半生は量子物理学と東洋哲学に類似性があるとして、特に『易経(えききょう)』を研究していました。ボーアは功績により、デンマーク最高の勲章であるエレファント勲章(Order of the Elephant)を受けた時、自身の紋章に選んだのが陰陽を表す太極図(陰陽マーク)でした。

この流れは受け継がれ、オーストリア出身のアメリカの物理学者フリッチョフ・カプラ(1939〜)は、現代物理学と東洋思想との相同性・相補性を指摘しました。1975年の『タオ自然学』で、その名が広く知られるようになりました。『タオ自然学』は、当時のディープエコロジー、ニューエイジ・ムーブメントの流れにあって、世界的一大ベストセラーとなりました。   つづく・・・

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陰陽論と量子力学 3

おはようございます。どんな物事でも習熟するには時間研鑽が必要です。自己流でやっていても、どこかに限界不合理がでてきます。指導者の意見素直に聞ける気持ちは、いくつになっても大事だと思う今日この頃です。

さて、デンマークの理論物理学者ニールス・ボーア(1885〜1962)は「量子力学の育ての親」といわれ、ノーベル物理学賞を受賞しています。ボーアは、アインシュタンイン真逆の観点で世界を観ています。

ボーアは電子は粒でもあり、波でもあるといい、これは中国の陰陽思想非常に似通っていることを見出しています。このボーアの理論は、オーストリアの理論物理学者エルヴィン・シュレーディンガー(1887〜1961)により証明させます。

さらに、ドイツの理論物理学者ヴェルナー・ハイゼンベルク(1901〜1976)による不確定性原理(1927)の発見します。不確定性原理が極めて重要である理由は、これが科学における基礎的な原理であるからです。

それは、全ての現象は確率的に示され、決定論的に示されるものではないことを示しました。不確定性原理に、さまざまな解釈がなされ、観測行為から説明されるものではなく、自然の本質ということになりました。

量子論が証明したのは“曖昧さこそが、自然の本質である”ということです。量子論が解き明かしたのは、自然とは我々が思っている以上に曖昧で、絶対的なものなんてないということでした。これにアインシュタインが猛反対したのです。

アインシュタインには「完全な物理学理論は決定論的であるべき」との強い信念があり、不確定に見える現象は「決まってはいるが人間にはわからないだけである」という隠れた変数理論を唱えました。

アインシュタインが、物理学に不確定という曖昧さを持ち込むことを納得しなかったという逸話のひとつとして、友人であるマックス・ボルン(1882〜1970)へ宛てた手紙(1926)の中に記した「Der Alte wurfelt nicht.」(神はサイコロを振らない)という有名な言葉があります。

アインシュタインはその生涯を終えるまで、量子論のこの点については反対を貫きました。しかし、現代物理学の発展の方向性から、量子論の方に軍配が上がっています。その後、英国の理論物理学者ポール・デュラック(1902〜1984)によりアインシュタインの理論と量子論を合体させた理論が登場します。   つづく・・・

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陰陽論と量子力学 2

おはようございます。昨日は警視庁・交通安全教育センターでバイクの初回コースに参加してきました。自分で気づいていない技術的な不備を第三者に指摘もらえると勉強になります。それにしても我ながらヘタクソ…

さて、量子論量子力学とは、厳密には異なる部分がありますが、その線引きが難しいので同じようなものとという理解で進んでいきます。量子力学とは、分子・原子・原子核・素粒子などの微視的物理系を支配する物理法則を中心とした理論体系で、1920年代に完成しました。

量子力学を簡潔に説明します。我々が見て、感じて、認識しながら生きているマクロな世界です。また、自分たちが認識できないレベルの小さな世界であるミクロの世界があります。量子学が解き明かしたミクロな世界とは1ミリの1000万分の1にも満たない世界です。

原子よりもさらに小さい、電子素粒子の世界のことを指します。ミクロの世界では物理学の世界では起こらないようなことが起きていることが解って来ました。一つの物質が様々な場所に存在したり、粒子と粒子がぶつかってもすり抜けたりします。

代表的な量子力学の理論として、オーストリアの理論物理学者エルヴィン・シュレーディンガー(1887〜1961)によって創始されたシュレーディンガー方程式(量子力学における基礎方程式)を基礎に置く波動力学があります。

ミクロの世界では粒子として動いてるのにとしての動きも見られます。シュレディンガー方程式により波のうねりを予測できるようになり、粒子でありながら波であるということは疑いようのない事実となりました。

また、ドイツの理論物理学者ヴェルナー・ハイゼンベルク(1901〜1976)、同じドイツの理論物理学者マックス・ボルン(1882〜1970)、ドイツの物理学者パスクアル・ヨルダン(1902〜1980)らによって構成されたハイゼンベルクの運動方程式(オブザーバブルの時間発展についての基礎方程式)を基礎に置く行列力学があります。

ボルンは「電子は観測された時には粒子として振る舞い、目を離すと確率という波になっていた」と述べました。観測されている時にはそこに留まり目を離す不確定になるというです。   つづく・・・

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陰陽論と量子力学 1

おはようございます。今日はてんゆ堂開院記念日です。開院15年目になりました。「お陰様」の一言に尽きます。

さて、文系の小生が理系の話をしていきます。東洋医学でも重視される陰陽論量子力学の関連性についてです。自分も理解が足りないので、できるだけわかりやすく簡潔に書いていこうと思います。

現代物理学において根幹をなす二つの理論があります。一つは有名なドイツの天才物理学者アルベルト・アインシュタイン(1879〜1955)を中心に生み出された相対性理論です。もう一つが数多くの学者の結束によって生まれた量子論です。

相対性理論は、1905年に発表された特殊相対性理論と、その10年後の1915年に発表された一般相対性理論という二つの理論に大別されて捉えられることになります。

特殊相対性理論は、光の速度は光源の動きと関係なくすべての観察者にとって不変であるする光速度不変の原理と、すべての慣性系において物理学の法則は同等に働くとする相対性原理という二つの原理を基盤として理論全体が組み立てられていくことになります。

一般相対性理論は、運動加速度と重力加速度の等価性を意味する等価原理と、加速度系を含むいかなる座標系においても物理学の法則は同等に働くとする一般相対性原理という二つの原理を基盤として理論全体が組み立てられていくことになります。

アインシュタンインは、ガリレオ・ガリレイ相対性原理などから一般相対性理論を導き出します。簡潔に言うと、光の速度は一定で、重力で時間が歪むことを説明しました。20世紀初期に相対性理論が発表されて、時間や空間は相対的なものだと考えられるようになりました。

同時代にベルギーの物理学者ジョルジュ・ルメートル(1894〜1966)が提唱したビックバーン理論は、一般相対性理論を基礎に構築され、宇宙の始まりと膨張について説明しました。定常宇宙モデルを信じて疑うわなかったアインシュタインは「わが生涯、最大の過ち」と述べてことは有名です。

そして、一般相対性理論を基礎に、量子論や量子力学が構築されていきます。   つづく・・・

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| 東洋医学 基礎講座 | 08:47 | comments(0) | - | ↑PAGE TOP -
臓器同士の会話 3

おはようございます。朝起きると自宅の窓の結露が凄〜いです。それだけ外気温が下がってきているんですね。羽毛布団の季節です。

さて、今まで人体のイメージは「が全体の司令塔となり、他の臓器はそれに従う」というものでした。ところが最新科学は、なんと体中の臓器細胞が放出するホルモンサイトカインマイクロRNAなどのメッセージ物質によって互いに直接、情報をやりとりすることで私たちの体は成り立っているという事実が明らかになってきたのです。

いわば臓器同士の会話をしているのです。臓器や細胞の間で交わされるひそやかな会話。さまざまな病気の原因にもメッセージ物質のやりとりに起きているなんらかの異常が密接に関係していることが明らかになってきました。

ところで、東洋医学では昔から五臓六腑(ごぞうろっぷ)を重視してきました。五臓肝、心、脾、肺、腎六腑胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦。そして奇恒の腑(きこうのふ)というのがあります。これは骨、髄、脳、脈、胆、女子胞(子宮)です。

五臓とは「精気を蔵して瀉さざるなり。故に満も実すること能わず」「精神、血気、魂魄を蔵するゆえんのものなり」とあります。五臓の特性は精気を内に蔵している実質器官であり、生命活動の中枢となって働きます。 六腑とは「物を伝化して蔵さず。故に実するも満つること能わざるなり」「水穀を化して津液を行るゆえんのものなり」とあります。

六腑の特性は中空器官で飲食物を受け入り、消化して次の器官に渡します。また水分の吸収、配布、排泄に関与します。奇恒の腑は「地気の生ずる所なり、皆、陰に蔵れて地に象る。故に蔵して瀉さず、名づけて奇恒の腑という」。奇恒の腑は形体は六腑に似て中空ですが、性質や働きは臓に似て精気を蔵します。そのため奇恒の腑と呼ばれます。

奇恒の腑の中のは「諸々の髄は皆、脳に属す」「脳は髄の海たり。髄海有余ならば、則ち軽勁多力、自ずからその度を過ぐ」となります。つまり髄が集まったものが脳となります。 脳は精髄が頭蓋腔に集まったもので髄海清明の府と呼ばれます。

視る、聞く、話す、行動、感覚、思索、記憶など高度な神経活動は脳にもあるとみたようです。脳が充実していれば、耐久力だけでなく、 全てにおいて一般の基準を超えるとあります。不足すると眩暈、耳鳴り、身体がだるいなどの症状を呈する 心、肝、腎などの機能が統合されたものであるとされ、特に腎気(精)の盛衰と密接な関係があります。

東洋医学では”脳が全体の司令塔”という概念が端からありません。臓腑は互いに相生(そうせい。互いが相乗効果で良い相性を生む)、相克(そうこく。互いに暴走しないように抑制し合う)という関連性をもっています。現代の最先端医学がたどり着いた答えをすでに東洋医学は知っているのです。古くて新しいのが東洋医学です。   〆

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臓器同士の会話 2

おはようございます。狭山産のをいただきました。少し硬めの柿が美味しいです。秋はイイなぁ〜!!

さて、脳が出すことが知られていたメッセージ物質と同じような物質を心臓の心房細胞も出していることを発見し世界から大注目されました。そのメッセージ物質はANP心房性ナトリウム利尿ペプチド)です。主に心房で合成・貯蔵され、血液中に分泌されるホルモンです。

水・ナトリウムの利尿、血管の拡張、レニン・アルドステロンの分泌抑制、循環血漿量の減少など多彩な生理作用を介して生体の体液バランスならびに血圧調整に関与しています。同様にBNP脳性ナトリウム利尿ペプチド)は主に心室から血液中に分泌されるホルモンです。

強力な水・ナトリウム利尿作用、血管拡張作用を有しており、心室に負荷がかかると分泌され交感神経系およびレニン・アンギオテンシン系を抑制して、それらのホルモンと拮抗的に働いて心不全などの病態を改善させます。

ANPの分泌は心房圧による心房筋の伸展によって刺激されるため、ANPが高値の場合、心房負荷循環血漿量の増加を起こす病態が存在することを意味しています。ANPは心不全腎不全などの重症度や治療効果を判定するときに検査されます。その他、高血圧の病態把握、内分泌疾患のスクリーニング検査などにも用いられています。

BNPも同様に心不全の臨床的指標として非常に有用とされています。BNPはANPに比較して変化率が大きいのが特徴です。例えば、重症の心不全ではANPよりはるかに上昇するため、心不全の指標としてはANPより優れています。また心室機能の把握、心不全や心肥大の治療効果の確認、抗腫瘍薬、向精神薬の心筋障害の早期感知にも役立てられています。

基準値はANP:40pg/ml以下BNP:20pg/ml以下。異常な場合に疑われる病気は高値では本態性高血圧、うっ血性心不全、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症などです。低値では脱水状態、利尿薬の影響などです。

何らかの原因で血圧が上がり、心臓に負担がかかると心臓の細胞から盛んにANPが放出され始めます。いわば「疲れた、しんどい」という心臓からのメッセージを全身に伝える物質です。このANPがもつ能力を利用して、なんとガン転移・再発効果的に抑えようという全く新しい治療への扉が開きつつあります。  つづく・・・

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