おはようございます。明日は都内も降雪の予報が出ています。できる準備はしといた方がイイですね。
さて、各病期と関連する経絡が影響して頭痛を生じる場合もあります。経絡別の六経頭痛(りっけいずつう)を紹介します。
太陰頭痛は上から包み込むように感じるの痛みや頭全体を何かで覆ったような頭痛と表現され、雨の日や湿度の高い日に生じやすいとされています。これは脾(ひ)と強く関連する湿邪による頭痛と考えれます。足太陰脾経(ひけい)は腋窩の大包(たいほう)に終わりますが、体内流注は上行して咽頭や食道を挟に舌下まで走行します。各経絡にまとめるためにちょっと無理やこじつけ感がありますね〜。
太陰病は表証・寒証に属します。表虚の場合は悪風悪寒・脈は緩弱(かんじゃく)を呈します。このような場合は桂枝加附子湯(けいしかぶしとう)を用います。四肢厥冷(ししけつれい.手足の強い冷え)・血行不良により陽気が巡れないものには当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)を用います。表実している場合は悪風悪寒・発熱・脈は沈(ちん)を呈します。この場合は麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を用います。
少陰頭痛は頭の中から突き上げるような痛みや下から槍で突き上げられるような頭痛と表現されます。これも少陰病と関連すると考えられます。手少陰心経(しんけい)は胸から上向する体内流注があり、心系より上り咽頭や食道を挟に、さらに目の内側に走行します。これも経絡走行とのリンクに無理やり感ありますね〜。また少陰頭痛は、強い冷えのぼせ、動悸、更年期障害などがある人に生じやすいとされています。
少陰病は裏証・寒証に属します。乾嘔(からえずき)、唾を吐く場合は呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を用います。月経痛があれば温経湯(うんけいとう)を用います。四肢厥逆の場合は四逆湯(しぎゃくとう)を用います。
厥陰肝経(けっちんかんけい)は期門(きもん)というツボから体内を上行して肝臓を通り、乳房から咽喉に上がり、眼を貫いて頭頂部(百会(ひゃくえ))に流入するため頭頂部の頭痛は厥陰頭痛です。
厥陰病は寒熱錯雑(かんねつさくざつ.寒証と熱証が同時に交錯して出現する)または上熱下寒の状態を呈します。烏梅丸(うばいがん)・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などを用います。また、外治法として頭風摩散(ずふうまさん)がありますが、これは発作性頭痛に用います。
このような形式的な頭痛が生じるとは限りません。臨床では様々な要因が重なった頭痛がほとんどです。一般的に気血不足や肝腎陰虚(かんじんいんきょ)は頭部全体が痛むことが多いです。陽気などの異常亢進による陽亢は後頭部から頸部の筋肉が痛むことが多いです。四肢が冷たくなる寒厥(かんけつ)は頭頂部、肝火による熱厥は両側頭部が痛むことが多いです。東洋医学からみた頭痛の話でした。 〆
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