おはようございます。今日は終戦から78年目です。ウクライナ侵攻が続いています。戦争を商機と捉えている人々がいるのも事実です。
さて、不妊は「妊娠を望む健康な男女が、避妊をしないで夫婦生活を送っているにもかかわらず、1年間妊娠しないこと」と定義されています。国立社会保障・人口問題研究所『第16回(2021年)出生動向基本調査』よると、不妊の検査・治療を受けたことがある夫婦は4.4組に1組になっています。
不妊が身近な問題となり、妊娠を目指す妊活という言葉も広く使われるようになりました。不妊の原因の約41%は女性で、24%は両方に問題があり、24%が男性に原因があります。男性不妊の82.4%が造精機能障害です。
造精機能障害ですから、精子数が少ない(精子減少症)、運動率が悪い(精子無力症)、精子がいない(無精子症)のいずれかに当てはまることになります。造精障害のはっきりした原因がわからない原因不明が42.1%です。精索静脈瘤が30.2%です。
染色体・遺伝子異常、薬剤性、停留精巣などがまとめて7.8%になります。 米国で男性の10%が、精子に生殖力がないと推定されています。推定300万組といわれる不妊に悩むカップルの約50%は男性の精子に問題があるというのです。今のところ生殖力のない原因は不明です。
バークレー生殖・女性の健康センター(Berkley Center for Reproductive Wellness & Women’s Health)の研究結果によると鍼治療で精子の生殖力が改善されたと報告しています。精子に問題のある男性40人を2つのグループに分け、5週間にわたり28人に週2回鍼治療をし、12人は無治療。その結果、鍼治療を受けたグループに生殖力のある健康な精子の数が増えています。
一方、女性の不妊症については、2002年に発表されたドイツの研究報告で証明されており、以来、女性への不妊治療に鍼治療を組み入れる医師が急増しています。特に米国などの海外では、その傾向が顕著です。日本ではまだまだといった感は拭えません。
不妊治療を受けながら鍼灸治療を併用している方が当院にも多く来院しています。健康で正常な精子も卵子も、精巣と卵巣にある訳
です。ですから、妊娠できる体に整える必要があります。ホルモン剤などの薬物療法も大事ですが、結局は妊娠を維持していく体ができていないと、良い結果に結びつきにくいと臨床現場で感じることが多いです。 〆
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