● 荻窪 教会通り てんゆ堂鍼灸院 「日日是好日」●

    
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荻窪 教会通り 恬愉堂鍼灸治療院
問い合わせ 「アトピー性皮膚炎」

おはようございます。今週の勤労感謝日は関東でも初雪という予報が出ています。随分と冷え込む模様です。

さて、てんゆ堂には様々な問い合わせ質問があります。こういうものも初めての患者さまには有益かと思い個人が特定されないように情報公開していきます。

男性 20歳代 精巣ガンの既往(5年経過)あり。主訴:アトピー性皮膚炎および各種アレルギー症状。当院への受診によりアトピー性の痒みと炎症症状は軽快。現在は米国(SF)在住。

【問い合わせ内容】
いつもお世話になっております。○○です!お変わりありませんか?5月半ばから鍼に通い始めましたが、今通っているところは3つ目のお店です。1,2つ目の鍼のお店は大きな改善はありませんでした。さらに2つ目のお店で、灸でへそ下を火傷してしまい(中略)、今のお店で落ち着き、ずっと下痢だった弱まっている胃腸を改善し、やっと正常の便になりました。

しかし、変わらず右手のアトピーは改善されません。鍼を受けても治らない症状というものはあるのでしょうか? 病院から頂いた軽めのステロイドを塗っても改善されないので帰国するまで我慢したいと思っています。

また、鈴木先生の鍼は痛くなく、体の表裏も鍼と灸を受けるのが印象的なのですが、こちらでは表のみが一般的なようです。そして、鍼が痛いのです。鍼を刺した後、神経まで届くように微調整するような感じです。その理由はなんでしょうか? よろしくお願いいたします。

【回答】
○○さま ご無沙汰しておりますが、いかがお過ごしですか!? さて、鍼灸の話。 米国での鍼治療は伝統中国医学(中医学)は英語で(Traditional Chinese Medicine: TCM)がほとんどです。

「表のみの治療で、鍼が痛い」… 「鍼を刺した後、神経まで届くように微調整するような感じです」… TCMでは得気(とっき)と言って鍼でビリビリさせることで気が通ったと認識している方がほとんどです。 例えば、手が痛いので頸に鍼をして腕の方までビリビリするというのは百歩譲ってアリ(当院ではこれもやりませんが・・・)

それにしても、 ○○さんのような場合、ビリビリさせても意味がないのでやりません。TCMの方はこれが多いです。気が流れるのと神経を刺激するのをごっちゃにして理解しているせいです。また、TCMでは刺激が強いのは効くと理解している方がほとんどです。(当方からみると雑なんです)

日本鍼治療は永い年月を経てマイルドに効かすというように変化しています。 ですから随分と同じ鍼でも違います。帰国するまで上手に乗り切ってください。     

【解説】
「鍼は痛いのではないか!?」という疑義をお持ちの方は非常に多いものです。鍼=注射針というイメージでしょうか。鍼灸院で使う鍼は非常に細いです。当院では1番鍼0.16mm)がメインに使う鍼の太さです。

皮下注射などの少量の薬剤を注射するときなどは24G(ゲージ:針の太さ(外径)の単位)あたりの針を血管に刺します。大量の薬剤を注入するとき(点滴や造影剤の注入)は23G0.6mm)〜21G(0.8mm)程度が一般でしょうか。

注射針の方が4倍くらい太い針です。また、注射針は針先はメスのようになっています。緊急時は注射針で切開したりすることもあるのです。鍼灸での鍼は松葉形という鍼尖の少し上から細く刺入しやすく疼痛も少ないものなので別種です。

中国医学での針の太さ30号ぐらい(0.3mm:日本の8番鍼)が一般的です。中国においては治療用の鍼も針()に統一されています。これでも当院で汎用する鍼の2倍も太いです。鍼の刺し方でも随分と痛みがでます。

中国医学では太い針を手で押し込むように刺します。臨床経験が豊富な方のは無痛ですが、資格取立てのような方のはやたらと痛いのです。日本の鍼は鍼管(しんかん)という日本独自の方法を用いるのが一般的です。この方法は刺すときにあまり痛みが出にくいのが特徴です。しかし、やはり臨床経験が少ないと痛いです。   〆

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