おはようございます。早いもので2013年の1月も終わりです。未来は遠くにあるようで過ぎ去った時間は早いものですね〜。
さて、頭が自然に揺れてしまう病気があります。俗に頭を横に振る「イヤイヤ型」と縦に振る「ハイハイ型」があります。この簡易鑑別でもある程度の判断ができます。横に揺れる場合は原因となる病気がないのに手や足などが振るえる本態性振戦(ほんたいせいしんせん)が考えられます。
振るえ以外の他の神経障害をきたす事がないので本態性と呼ばれます。別名では老人性振戦とも呼ばれ高齢者さんにみられやすいです。元・小宮山洋子厚労大臣はTVなどから察すると小刻みに横揺れしています。縦に揺れる場合はパーキンソン病などが考えられます。
振戦の診断では安静時、動作時、姿勢保持時などどういう時に揺れるのかや、どのくらいの間隔で起こるのか、どのくらいの振幅か、などがキーポイントです。振戦は本態性振戦やパーキンソン病以外にバセドウ病などの甲状腺機能亢進症、脳梗塞などの脳血管障害、難病指定されている脳、脊髄、視神経などに病変が起こります。
多様な神経症状を示す多発性硬化症、同じく難病指定されている小脳や脳幹から脊髄にかけての神経細胞が徐々に破壊・消失していく運動失調を主症状とする脊髄小脳変性症など脳の病気に伴って起こる場合があります。
また、ジストニアの可能性も考えられます。ジストニアは脳でも主に大脳基底核の障害による不随意で持続的な筋収縮にかかわる運動障害が起こる病気です。自分の意思に反して筋肉が過度に緊張し首や手などが勝手に動く不随意運動が起こります。
振るえの検査は血液検査、頭部CT検査、MRI検査などが必要です。治療方法は病気によって異なります。治療経験が豊富な大学病院などの神経内科を受診し、まずは振るえが何らかの病気から来ているのかという診断をする事が最優先です。
しかし、本態性振戦であれば、必ずしも治療を必要とはしません。日常生活、社会生活上支障がなければ治療せずそのまま様子をみるのが通常です。しかし振るえが激しい場合は、筋肉の緊張を和らげるβ遮断薬、抗不安薬、抗てんかん薬などの投与で症状を軽くします。
原因不明の本能性振戦による頭部や手のふるえに悩む方は日本国内で約400万人もいらっしゃるのです。ストレス性のふるえも考えられます。このような場合では鍼灸治療+漢方薬の服用で症状の軽減が可能です。米国などではパーキンソン病の治療にも鍼灸治療が用いられています。原因不明の手のふるえに東洋医学という選択肢もあります。 〆
<関連記事>
・頭部の揺れ 1
・ふるえ・振戦 1〜3
・若年性アルツハイマー病 1・2
・ピック病 1〜3
・脳腫瘍 1〜3
・認知症の予防法
・サフランと認知症 1〜3
・認知症と漢方薬 1〜3
・認知症 セルフチェック