おはようございます。年内最後の3連休です。
年末寒波もあるようなので大掃除にイイかも!?
さて、美容目的の充塡剤注入による豊胸で感染症にかかった都内の30代女性は、子育ての授乳を終えて乳房が小さくなり垂れたことや「胸がない」と周りから言われたことに悩んでいました。そこで豊胸ができるクリニックをネットで探すと、海外で製造したジェル状の充塡剤を勧めていました。脇をわずかに切開し管状の器具で乳房に注入する方法です。「最後は尿として排出され、合併症の心配はほとんどない」と書いてあったそうです。家族には相談せず「安全なら」とクリニックを受診。そこで両胸に計400ミリリットルを注入。保険が適用されないため代金は約100万円でローン契約しました。施術は30分。しかし数日しても右胸の痛みが… 1年が過ぎても充塡剤は取り切れず、胸の痛みが続いているというのです。
日本美容外科学会(JSAPS、正会員1220人)の大慈弥裕之理事長(福岡大副学長)は「充塡剤の豊胸目的での使用はやめるべきだ」と話していますし、別団体の日本美容外科学会(JSAS、会員975人)も2017年3月、「一部の充塡剤による豊胸について推奨できない」とする声明を発表しています。豊胸手術は世界的にはシリコンインプラントと脂肪注入が標準的治療です。豊胸目的の充塡剤をめぐっては、米国の食品医薬品局(FDA)は血管を詰まらせる危険があるなどとして使用禁止にしています。流通した場合は押収や罰金などの措置を取っています。また美容整形大国の韓国の学会は、2016年に日本でも多く使われている充填剤アクアフィリングを使った豊胸手術の中止勧告を出しています。
日本では豊胸目的で国の承認を受けたものはありません。一方、使用に対する規制がないため医師が自由診療の中で使っており、流通量ははっきりしないのが現状です。日本でも関連学会が会員に注意喚起を行っていますが、個人輸入でそうした充填剤が使われており、合併症の報告が相次いでいるのが実態です。豊胸の充塡剤は大胸筋を覆う筋膜と乳腺側の筋膜の間に入れます。その際に細菌に汚染されたり、充塡剤が乳腺に入ったりすると炎症などが起きる恐れがあります。充塡剤が乳腺や大胸筋などに散らばると、すべてを取り出すのは困難です。大慈弥理事長は「充填剤注入による豊胸術は合併症リスクが高いと考えられ、受けた人は長期間、専門の医療施設で健診を受けることが望ましい」と話しています。 つづく・・・
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