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過活動膀胱の鍼灸治療 4

おはようございます。新千円札の北里柴三郎は在学中に
医学の使命は病気を予防すること」と確信したそうです。

さて、国内の過活動膀胱(Overactive Bladder:OAB)に対する鍼治療の報告もあります。

北小路らは尿流動態検査にて過活動性膀胱を呈した症例11例(男性9例, 女性2例)で、年齢は51歳から82歳(平均71歳) 対象として、主訴は切迫性尿失禁9例、尿意切迫2例です。全例に対して鍼治療前後に自覚症状を評価し、さらに尿流動態検査を施行して鍼の効果判定を行いました。鍼治療部位は左右の中膠穴(BL-33)で、ディスポーザブル鍼(直径0.3mm)を50〜60mm刺入し、重だるい得気感覚を得た後、手で鍼を半回旋する施撚刺激および2〜3Hzでの雀琢刺激を左右に10分間を行いました。これを1回の治療とし週1回の間隔で行い、鍼治療の回数は4回から12回(平均7回)行いました。結果は自覚症状では切迫性尿失禁は9例中5例に著明改善(尿失禁の消失)、2例に改善(尿失禁回数および量の減少)を認め、尿意切迫を主訴とした2例の排尿症状は正常化しました。自覚症状の改善率は82%でした。また治療前の尿流動態検査にて11例全例に認められた無抑制収縮は、治療後6例で消失し治療前後の比較では、最大膀胱容量と膀胱コンプライアンスに有意な増加が認められ尿流動態検査でも改善が認められたと報告しています。

また、前立腺肥大が原因でOABを発症することもあります。
北小路は前立腺肥大症の第鬼の患者24例を対象に前述の中膠穴を用い同条件で鍼治療を施行しました。治療は1週間に1回、治療回数は4回から10回、平均は6.4回でした。評価は尿流量測定検査、IPSS症状スコア、昼間排尿間隔および夜間排尿回数について、鍼治療前、鍼治療直後(鍼治療を一定回数おこなった直後)および鍼治療終了後(鍼治療直後より1ヶ月から3ケ月経過時)に行いました。鍼治療前から薬物療法(エビプロスタット、パラプロスト)が施行されるも奏功しなかった15例と鍼治療単独の6例です。尿流量測定結果は21例(平均年齢70歳)の検討では、平均尿流量率は鍼治療前に比べ治療直後は有意な改善がみられました。最大に夜間排尿回数および昼間排尿間隔の延長がみられました。また治療終了後は治療前に復する傾向がみられたと報告しています。
 
本庄らは神経因性のOABのひとつである尿失禁を有する慢性期脊髄損傷患者の男性8名を対象に鍼治療を施行しました。損傷レベルは頚髄損傷4例・胸髄損傷4例であり、全例ともウロダイナミクス検査により無抑制収縮が証明され、排尿筋過反射と診断されました。鍼治療は前述の中膠穴を用い同条件で鍼治療を施行しました。鍼治療は週1回の間隔で4回施行しました。鍼治療の効果について、ウロダイナミクス検査を治療直前、初回治療直後および4回治療終了1週後に行って評価し、臨床症状の変化は治療前と4回治療終了1週後で評価しました。その結果、8例のうち尿失禁が消失したものは3例であり、他の3例に改善がみられた。平均膀胱容量は治療前と治療終了1週後では有意に増大したが、平均最大膀胱内圧には有意な変化はみられなかったと報告しています。脊髄損傷では、本来は正常な膀胱知覚を司るAδ線維が脊髄レベルで障害され、C線維が主たる求心路を形成し易刺激性を獲得し排尿反射経路を再構築します。このC線維の活動がOABをもたらすと考えられ、鍼刺激の効果機序のひとつとしてC線維活動の抑制が考えられます。

本庄らは胸髄8/9レベルにおいて切断した膀胱機能障害モデルラットを作成し、鍼刺激によるNeuromodulationの効果について検討しました。仙骨部鍼刺激により、排尿に到らない膀胱収縮(Non-voiding contraction;NVC)の出現頻度が抑制されました。尿道閉塞モデルラットにおいても鍼刺激はNVCを抑制しました。仙骨部鍼刺激は排尿筋過活動の蓄尿期に抑制的に作用すると報告しています。  つづく・・・

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・過活動膀胱 1〜6
心因性頻尿 1〜6
・パンプキンシード 尿漏れ防止 1・2
・排尿障害 「尿失禁」

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