おはようございます。てんゆ堂は年内は28日(土)が最終診療日になります。師走はあっという間です。
さて、激辛ブームは世界規模で広がっています。唐辛子生産量は右肩上がりで、激辛唐辛子を巡るチリバブルが起きています。新種の激辛唐辛子を発見できれば巨万の富を得られるチリバブルの勝ち組です。
そのきっかけは1994年にメキシコで発見されたハバネロです。これが日本にも伝わり、スナック菓子の「暴君ハバネロ」は年間3000万個出荷の大ヒット商品となりました。
そして、この数年後、辛さの単位であるスコヴィル値がハバネロの倍近い約100万スコヴィル値のブート・ジョロキアがインドで発見されています。この唐辛子は日本でも大手企業が目をつけヒット商品を連発しました。
山梨県大月市在住の竹内僚さんが、2007年当時にブート・ジョロキアの粉末加工に世界で初めて成功したそうです。この激辛とうがらしを粉末にする作業は超過酷だそう竹内さんは赴任先のバングラデシュで脱サラして粉末加工に挑戦、現在は大月市にも拠点を持ち、ひとりで激辛とうがらしを粉末化しているそうです。
体が痛くなったり、かゆくなったり、目に入ったりするためスタッフが増やせないくらい過酷です。この過酷な作業を1日3時間、週に3日行っているそうです。
作業は工場内では顔にさらしを巻き、袖の隙間にテープを巻いて塞ぎます。激辛とうがらしを毎分200リットルの水をジェット噴射させて洗浄します。この洗浄機だけで約100万円。このときカプサイシンが飛散するためマスクをしていても息をするだけで咳き込むようです。続いて乾燥したとうがらしを粉砕しますが、洗浄以上に大量のカプサイシンが飛散します。
また、粉末が舞うためエアコンを使うことができず、夏場が室温が50度にもなるためゴーグルをつけることができないそうです。スーパーで気軽に激辛唐辛子を買いますが、その裏には過酷な命がけの作業をしている人がいるんですね〜。
そして、近年では新種を探すだけでなく開発の流れが出てきています。2013年には米国・サウスカロライナ州でスコヴィル値は164万のキャロライナ・リーパーという激辛唐辛子が開発されギネス世界記録を更新しました。この唐辛子の種を販売したところ世界中から注文が殺到し、一粒1万円のプラチナ値がついたほどです。
しかし、近年、キャロライナ・リーパーを超える激辛唐辛子が開発されています。2017年にイギリスのウェールズで開発されたスコヴィル値が248万のドラゴンズブレスという唐辛子です。食えたもんじゃないっていうくらい辛いらしいです。 つづく・・・
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