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カプサイシン 4

おはようございます。急な歯痛でつらいです〜。
でも年末年始でなくて良かった。病院行けるし…

さて、唐辛子は食べる以外の分野で利用・研究がされています。食べられない激辛唐辛子のドラゴンズブレスの開発および研究が進められています。この激辛唐辛子の成分を使った麻酔の研究です。

有名な研究は、ちょっと古いですが2007年に米ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)のAlexander M. Binshtok、Bruce P. Bean、Clifford J. Woolfらが英国の科学誌『ネイチャー(Nature)』に発表した「Inhibition of nociceptors by TRPV1-mediated entry of impermeant sodium channel blockers.」です。

この研究の要旨は、カプサイシンで痛みを感じる神経細胞の粘膜にTRPV1という名前のナトリウム経路を作り出し内部への入り口を形成します。その直後に麻酔薬リドカイン(lidocaine)の誘導体であるQX-314を投与します。QX-314は単独で神経細胞の粘膜を突き破ることはできないですが、カプサイシンの助けを借りて細胞内部に入り込み、痛みが発生していることを脳に伝える刺激を遮断します。

一方、痛みの感覚とは無関係の周辺の神経細胞にはTRPV1の経路が形成されないため周辺にはしびれた感じは起こらず運動神経も正常に働くというのです。実験では座骨神経のあたりにカプサイシンとQX-314を投与したネズミを高熱の近くに置き、ナイロン製の注射針のような硬い棒でつついたが、通常よりも高い温度に耐え、つつかれても無感覚だったのです。平常通りの運動も続け、その他の刺激にはきちんと反応しました。これは痛みの刺激は遮断されても運動制御機能は影響を受けなかったことを意味しています。麻酔状態は2時間で消失しています。

これをヒトに適用する場合、投与量などを決定することとTRPV1を作る際のカプサイシンの燃えるような感覚をどう抑えるかが課題になるとしています。 従来の麻酔では感覚神経だけでなく運動神経も麻痺させるので筋肉も麻痺させてしまいます。カプサイシンを含む局所麻酔は感覚神経だけに作用すると考えられています。手術や治療の際にトウガラシの成分を使って痛みの部分だけを狙い撃ちし周辺に痺れの感覚を与えない夢の新世代麻酔薬開発にめどがついています。

実用化されれば出産する女性が麻酔で腰から下の感覚を奪われることがなくなり、運動選手は運動機能を一時的にも麻痺させることなく膝の手術を受けることができたり、歯科での抜歯もずっと快適なものになります。早期のリハビリ開始高齢者の筋肉の衰え防止につながると期待されています。ただし痛みの軽減目的に唐辛子を患部に塗るのは止めください。因幡の白兎になりかねません。  〆

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