● 荻窪 教会通り てんゆ堂鍼灸院 「日日是好日」●

    
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荻窪 教会通り 恬愉堂鍼灸治療院
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宦官 2
おはようございます。今週末で仕事納めの方も
多いことでしょう。てんゆ堂28日(土)までです。

さて、北京には宦官文化陳列館があります。これによると去勢は内務府に属す慎刑司の管轄でしたが、明・清代の北京には政府から去勢を請け負う民間業者が出現しています。清朝末期の北京では南長街會計司胡同の“畢五”、地安門内方磚胡同の“小刀劉”が去勢業の双璧でした。共に設備が整っており技術が優れているために実績が高く死亡率も低かったようです。子供を太監にしたい人は、ここに去勢を依頼したことでしょう。

去勢は手術台では陰茎は天井から下げられた紐に縛って持ち上げカットしやすいようにするようです。または炕(オンドル)の上に腰を浮かせて座らされ刀子匠(執刀医)の助手が浄身者を押さえつけます。全ての準備が整うと刀子匠が数回、「後悔不後悔」(後悔しないか)と念を押し、少しでも躊躇すると浄身は中止されます。「没有悔恨」(後悔ない)と答えれば躊躇することなく即座に… 去勢に使うナイフは閹刀で中華包丁というより出刃包丁に近い形状です。または鎌型に湾曲した小刀陰茎と陰嚢を同時に切断します。

その後は白い紐あるいは繃帯で下腹部と大腿部を堅く縛り、術部を熱い辣椒湯洗浄します。辣椒湯はトウガラシの水溶液と考えられます。これもすざましい痛みと想像されます。医学史上、消毒法はJ.リスター(1827〜1912)が1960年代に外科学で初めて用い、後にコッホが伝染病に応用したのが始まるとされてます。ですから宦官が行われていた時代には、現代のような消毒法は存在しません。

そして白鑞(銅と亜鉛の合金)の針を尿道に挿入して栓をした後、冷水に浸した紙で包んで止血します。助手が浄身者を支えて部屋の中を2〜3時間ゆっくり歩かせ、そののち横にして休ませます。浄身後3日間は水を与えず、喉の渇きと傷口の痛みのため非常な苦痛を味わいますが、3日して白鑞の針を抜き取った時に尿が噴出すれば成功となり、そうでなければ苦悶し誰も救うことはできません。100日たって傷口が全快すると満州族の王府に送られて実務を習い、1年後には紫禁城に移されて正式の職に就くわけです。すざまじい浄身を経験して生きる道を宦官に求めた者の覚悟には敬服します。そうして無事に入宮を果たした太監たちの中から、さらに頭角を現し皇帝など宮中の権力者に仕え栄達する者も出てきます。   〆

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