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新型コロナウイルス 伝統医学で考える 2

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さて、東洋医学では新型コロナウイルス感染症をどのようにように捉えているでしょうか。

後漢末期から三国時代に張仲景(ちょうちゅうけい)が編纂した『傷寒論』(しょうかんろん)があります。傷寒は名前の通り、主に風邪寒邪に侵されて発症する急性外感熱症です。『傷寒論』の前文には「余宗族素多、向余二百、建安記年以来、猶未十年、其死亡者、三分有二、傷寒十居其七」とあります。要約すると「一族200人余りが居たが、建安(後漢の献帝の治世元号。196〜220)になって10年も経過しないのに死亡した者が2/3で、そのうち傷寒が7/10である」とあります。現代西洋医学では、これらは風邪の症状のほか、インフルエンザ、腸チフス、マラリアなどの発熱を伴う感染症も含まれていたと考えられています。

そして中国では明代末期から清代初期にかけて疫病の大流行が度々起こっています。『明史』には1408年から1643年の間に疫病の大流行が19回あったと記録されています。この傷寒に基づく治療法では治らない病気が多くあったのです。『傷寒論』の時代には温病について一応記載されていますが、残念ながら深い考察がなされていません。しかし、傷寒派により明代末期から清代初期には再び『傷寒論』研究ブームが起きています。

一方、明代末期には呉又可(ごゆうか)が『温疫論』(1642)を著して温疫(うんえき)という概念を提出します。温疫の病因は傷寒とは異なり、天地間に存在する異気(戻気・癘気ともいう雑気の一種)が伝染します。各種の異気が各々の諸種伝染病の病因となります。各異気はいずれも口鼻から侵入し、まず膜原という半表半裏を侵します。これは一種の潜伏期間です。その後、異気ごとに固有の部位に到達して病変を起こします。同一の異気あれば感染者は同病となります。これは細菌やウイルスなどによる急性・伝染性・流行性の疾病の総称と捉えることができます。

温疫をさらに発展させたのが温病(うんびょう)です。温病は病邪が体内に侵入して起る発熱を主症状とする全身疾患をいいます。外感熱病は主に細菌やウイルスなど病原微生物の感染症に相当し、他に寒冷・暑熱・潮湿などの要因で発生する疾病も含まれます。現代西洋医学的には気道感染症、インフルエンザ、日本脳炎、ポリオ、流行性脳脊髄膜炎、耳下腺炎、伝染性肝炎などの疾患が考えられています。温病の症状は発熱にのど痛、咳、痰などの呼吸器症状が強いのが特徴です。新型肺炎とも呼ばれる新型コロナウイルス感染症の症状に類似しています。

そして温病にはいろいろあるのですが、春に発生する温病を春温(しゅんおん)あるいは風温(ふうおん)があります。温病は現代西洋医学の感染症に似た特徴があり、感染性や流行性をもつのが多いのです。春温は名前の通り、春の時期に発生した発熱を主症状とした急性疾患です。その病因を温邪(おんじゃ)といいます。春温の温邪は口と鼻から体内に入り、まず肺(呼吸器)を侵します。症状の特徴としては、高熱、咽喉痛、口渇、咳などの症状が出ます。病状が進展すれば、心包や心を侵し意識障害などの症状が起きて重篤になります。どうですか、これ新型コロナウイルス感染症の症状にそっくりでしょう!! 

春温の中に温邪に侵されてから間もなく発症するパターンもあれば、冬に寒邪に侵された後春になってから発症するパターンもあります。温邪に侵されてすぐに発症するパターンは風温といい、冬に寒邪に侵されて春になって発症するパターンは春温、あるいは伏気温病(ふくきうんびょう)といいます。一般的に春温は風温より症状が強く、重症になりやすいとされています。  つづく・・・

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