おはようございます。先週末にはソメイヨシノも開花宣言です。今年は花見も自粛だそうです。
さて、これまで新型コロナウイルスの感染経路は主に接触感染と飛沫感染の2つが挙げられており、空気感染は考えにくいとされてきました。しかし空気感染もあり得るとする「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)媒介物報告書」が『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載されました。
米国立衛生研究所(NIH)、プリンストン大学、米疾病対策予防センター(CDC)などに所属する計13人の研究者が実際にコロナウイルスを使用して実験を繰り返した結果、コロナウイルスは基本的には体液の中で生存しますが、咳やくしゃみなどによってウイルスが空気中に拡散され、地面に落ちないで空気中に浮遊し続けながら生きることが実験で分かりました。
「空気中と物質上でのウイルスは安定しており、ウイルスの感染が直接起こりうる。またウイルス保菌者から他者に感染してからもウイルス粒子は生き続ける」というのです。
そして「生きたコロナウイルスはエアロゾル化後、3時間まで生存することを突きとめた。銅(製物質)の表面では4時間、段ボール上では24時間、プラスチックやステンレス・スチールの上では2、3日の間、ウイルスは生存していた(中略)我々の研究結果によって、コロナウイルスはエアロゾルと媒介物によって感染しうるということが判明した」というのです。
エアロゾルは、広義の意味で空気感染と解釈されますが、正確には気体に浮遊する液体や固体の粒子を指します。内容を端的にまとめると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の空気感染はあり得ます。
これまでも接触感染と飛沫感染以外に空気の流れが淀みがちな閉鎖性の高い空間での空気感染が指摘されていました。この学究的な実験によって新型コロナウイルスの空気感染が証明されたことになります。
一方、湿度に弱いことが明らかになりました。加湿器を使い湿度50%でカ氏72度(セ氏22.22度)にすれば、ウイルスの活動が収まることが判明しています。
しかし、空気感染の可能性が示されても感染力がどれほど強いかは今回の論文では学究的に示されていません。格式の高い同誌に論文が載ることが信憑性の高さを示しています。そして執筆者は他の研究者によるさらなる検証を促すなど慎重な姿勢を示しています。
新型コロナウイルス感染症は公衆衛生上の危機ではなく、全世界の社会的経済的な危機に発展してきています。この先の見えない状況が、これからもまだまだ続く可能性が高いと予想されます。これをどう切り抜けるのか、個人だけでなく、社会いや国・地球規模で考えなければならない事態に直面していると言っても決して過言ではありません。 〆
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