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種苗法改正案(2020年) 8

おはようございます。”新しい日常”とはどんな
日常でしょうか。暑い季節にマスクは辛いです。

さて、農水省のHPには「種苗法の一部を改正する法律案について」が掲載されています。しかし、この種苗法改正案は農業者に対し十分に周知されないまま進んでいます。2020年5月20日、自民党の森山裕国対委員長は種苗法改正案の今国会での成立見送る方針を示唆しています。

この改正案での対象は8000品種余の国の登録品種です。米、果物、野菜の9割前後の一般品種は制限せず、「ゆめぴりか」「つや姫」のような米や、イチゴの「あまおう」、「シャインマスカット」のようなブドウといった登録品種について自家採種(自家増殖)などを制限する内容です。

この改正案の問題点は、種苗の知的財産権を強化し農業者の種子の権利を抑制する点にあります。改正案では2022年から育成権者の許諾なしに農家が自家増殖することを禁止しています。もともと種苗の開発は国や自治体の仕事で「種苗は公共財産」という考えが農家には強いのです。しかし改正案によりモンサントなどの多国籍企業が種苗を独占していく手段として悪用される危険が指摘されています。

日本の種子を守る会は、2020年2月20日、自民党議員に対し、種苗法改正案について生産者が不利益を被ったり、混乱を招いたりしないよう要請を行っています。要請では、特に改正案にある「自家増殖の原則禁止」「自家増殖に必要な育成権者の許諾」は地域の農業の実態に合わないなどの問題点を指摘しています。また国際的に認知された農業者の自家増殖を認める種子の権利を著しく制限するものであり改正案から削除すべきと訴えています。

また川田龍平参院議員(立民)は「登録されているのと似ている品種もある。『これは登録品種だ』と疑いをかけられ訴訟を起こされるリスクがある。これでは規模が小さい日本の農業は衰退する」と述べ、そんなことにならないよう、川田氏は今国会で「在来種保全法案」を緊急提案しようと急いでいます。登録されていない在来品種を目録にし、農家が自家増殖する権利を守るという趣旨の内容です。

東京大の鈴木宣弘教授(農業経済学)も在来種保護は急務と考えています。農家の高齢化が進み、この百年で在来種の7割が消滅しているからです。今も野菜を中心に在来種は減り続け登録品種がとってかわっているのです。鈴木氏は「種苗法が改正されると、農家は常に種を買わないといけなくなる。種のコストが高まる。『種を持つものが世界を制す』とはいう。これでは日本の食は守れない。南米やインドでは在来種を守ろうという抵抗が農家や市民から起きている。国民が知らぬ間の法改正はあってはならない。日本の市民はもっと関心を向け、引き戻しの議論をしてほしい」と訴えています。

日本の種子の海外流出を理由に国内農家の自家増殖を抑制し農家の種子への権利が制限することは、農業・農作物の多様性持続可能な農業への道を阻害し、農村を支える家族農家などの生産基盤を脆弱化させる可能性があります。そもそも日本は食糧自給率は38%であり、野菜の種子の自給率は低く8〜9割が輸入に依存しています。新型コロナウイルス感染症に影響により国内農業現場に影響がおよぶ可能性がさらに高まります。

種苗法改正は国民の命をつなぐ食料供給の根幹にかかわる問題です。しかし、現時点で農業者に対し十分に周知されないまま種苗法改正案が進んでいることが危惧されます。きちんと議論がされて様々な観点から審議する必要があります。2018年3月末で廃止された種子法は衆参合わせてわずか12時間の審議で廃止になっています。5月20日に見送りになった種苗法改正案は廃案ではありません。今度こそ、十二分に議論を尽くしてもらいたいものです。   〆


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